虫採り動画上げてます!!
普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!
2015年の夏
友人から「ベーツヒラタカミキリ採りに行くけど、来ないか」と誘われた。千葉県で夜にベーツヒラタを採り、昼に海岸沿いのカワラハンミョウとシロヘリハンミョウを採る計画らしい。
「そのルートなら、ルーミスシジミとシルビアシジミも狙えるな」
ということで決まった千葉県五目どり採集。今回のテーマはこの一言。
「千葉県は、いいぞ」
1種目「ベーツヒラタカミキリ」
出発は夜10時、怪しげな雰囲気を放つ格安レンタカー前集合。遅刻する主催者。しかし焦ることはない。ベーツは夜中は常に活動する。
先に車を借りて、そいつを家の前まで迎えに行く。主催者の調べたスダジイを求めて、北総へドライブ。千葉県も田舎へ行くと、街灯にコフキコガネが舞っている。つい数週間前にヒゲコガネを採集したばかりの自分には、普通種ながら嬉しい。
下調べした場所がハズレの場合も多々あった。時には杉林に突撃してアシナガバシの巣に出くわすことも。ようやく見つけたスダジイには、キマダラミヤマカミキリがたくさん沸いているのみ。
正直カミキリにそこまで興味がないし、眠いし、暑い。そろそろ捕まえてくれ、と思っていたとき。よさそうなスダジイの大木を見つける。
一見して何もいなさそうだが、ベーツはその平たい体で隙間に潜っているらしい。友人が諦めず丹念に探していると…。
「いた!!!!!!!」
触角がもげているが、これがベーツヒラタカミキリ!!
カミキリにしては異様な赤さと平たさ。なんとなく毒虫を思わせるフォルム。魅了されるカミキリ屋が多いのも、分かる気がした。
時刻は深夜2時過ぎ。翌日の体力を残すためにも、ここらで引き揚げて寝ることにした。
2種目「カワラハンミョウ」
翌朝
朝イチで千葉の海岸へ向かう。海水浴場から少し歩いて、草交じりの海岸へ出る。カワラはいないかーと足元を見ると、アリバチの♀がいた。アリバチ、存在は知っていたがこんなところにもいるのか…。
うだるような暑さの中、少し陸側の砂地に足を踏み入れた。すると、砂の色に溶け込んだ”何か”が動いた。
カワラハンミョウだ!!
友人も採ったようで、お互いの採集物を見せ合う。この一角に生息しているようだが、かなりの変異があることがわかった。白い紋が退縮したものから、発達したものまで、様々だった。
いろいろなタイプが欲しかったが、蛾屋がハンミョウを持っていても仕方ない。一匹だけつまんで、次の目的地へ。
3種目「シルビアシジミ」
お次は、草原に生息するシルビアシジミだ。千葉内陸の草地に、ヤマトシジミと混ざって生息しているらしい。目的地に到着すると、小雨が降り始める。網を振ってヤマトかどうか確認しては逃がすことを繰り返す。
途中、なにやら毒々しい見た目をした虫がいた。
外来種かと思ったが、れっきとした在来種。ツチハンミョウと同じく、毒をもっているので、触ってはいけない。幼虫期をバッタやイナゴの卵を食べて育つので、比較的良い草原にしか生息していない虫らしい。
足元を見てみると、青く飛ぶシジミチョウに大小二種類混じっている。大きいほうは、ヤマトシジミ。小さいほうに狙いを定めて、ネットイン。表を確認すると…
シルビアシジミだ!!大体ヤマトシジミとシルビアが9:1に混ざっている感じだ。雨もだんだん強くなってきたので、数匹採って撤収。
4種目「シロヘリハンミョウ」
お次は、海岸の岩場に生息するシロヘリハンミョウ。海岸は晴天だ。時刻は14時を回り、とてもではないが岩場には立っていられない。
ひどい照り返しのなか、必死で足元を見る。いやしかし、まぶしい。動くものを見つけてもハエ、ハエ、ハエ。そんな中、小さいハンミョウの姿が見えた。
このハンミョウは岩場に溶け込むのが上手く、止まると見失う。しかも、警戒心がとても強く、少しでも距離を詰めるとすぐ逃げ出してしまう。岩場なので、網を被せても隙間から抜け出して逃げられること数回。ようやく1頭採ることができた。
最後は、「ルーミスシジミ」
ここは前も来たことあるポイントで、友人に採らせてあげるのが目的だ。照葉樹の森が広がるポイントで、薄暗い水源にルーミスが飛ぶ。ヒルのポイントでもあり、足元には要注意だ。
ちらちら飛ぶ蝶のうち、紫色に光るのはムラサキシジミ。まれに水色に光る蝶が現れるが、それがルーミスシジミだ。ここはルーミスが多く、比較的すぐルーミスは見つかった。
これは、来年就職して九州へ行ってしまう友人への餞別だ。無事、狙いの虫5種類採れたところで、今回の千葉五目どり遠征終了。
最後に改めて、
「千葉県は、いいぞ」