春の与那国島2018 その1

与那国島

日本最西端の島で、その地理的環境からか固有種も少なくない。2012年に一度訪れ、ヨナグニサンなどを観察したが、大学院を卒業する段になって、与那国島独特の「ゆったりした時の流れ」が急に恋しくなってしまった。

そういうわけで、6年ぶりに与那国島を訪れたのであった。

降り立ったは石垣島。まずは生研合宿の隊と合流し、丸一日は石垣で活動する。深夜のキャンプ場で生き物を探すと、甲虫の類が見つかった。

専門が違う人と行動を共にすると、自分では見つけられない生き物に出会うことができる。そういう場として、生研はとても居心地がよかった。

翌日

石垣港へ移動し、腹ごなしにA&Wでルートビアをグビる。当然のごとくお替りも飲み干す!

店舗に行けばルートビアがジョッキで飲める。至高。

せっかく石垣に来たのだから、マルガタオオヨツボシゴミムシも摘まんでおこう。環境はゴミが散乱する小さな林で、物の下の湿った場所に大量に潜んでいた。そのほか、マルツノゼミの仲間も採集できた。

その晩は灯火採集。大物は来ず、石垣らしい蛾を拝んで早々に撤収。

翌朝

与那国へ向かう日がやってきた。

新しくなったフェリーよなくに

甲板で日向ぼっこ

カツオドリ

新しくなった「フェリーよなくに」に乗り込んで、二等席を確保。船内は全体的に綺麗になっていて、とても居心地がよかった。

僕はフェリーの甲板で日向ぼっこするのが大好きだ。沖縄とはいえ、3月は少し肌寒い。日差しで体を温めると、丁度よく体がポカポカして、心地いい眠気に襲われる。

4時間ほどで与那国島に到着。港では、いつものおじぃーが出迎えてくれた。

与那国島のマンホール

おじぃーは一度脳梗塞で倒れてしまったらしく、だいぶ弱々しくなっていた。切なさと悲しさが入り混じった気持ちになると同時に、再訪できてよかったとも思った。

その後レンタカーを借りて、6年前に訪れた場所を巡った。

比川浜

生研メンバーによるエビ調査

久々に生研の面々と行動を共にするので、彼らの採集についていくことに。

向かうは夜の水路でエビ探し!彼らは島初記録のテナガエビを狙っているらしい。大きな普通種を見つけると、食べる用に捕まえてくれた。自分もエビ網を借りてチャレンジするも、動きが素早くなかなか難しかった。

茹でテナガエビ

翌日

今度は虫グループと行動を共にする。ホソキボシアオゴミムシを狙ってススキをビーティングしたり、ヨナグニトゲハムシのポイントでルッキングしたり…アシブトメミズムシを狙ってビーチコーミングしたり…

アシブトメミズムシ

ご尊顔

ビーチコーミングしていると、ブラーミニメクラヘビも見つけることができた。よく見ると舌をペロペロしてるし、口も鼻もあるし、退化しているけど眼球らしきものがある。退化していても、しっかり蛇なんですね。

久部良港の海人食堂

一しきり採集を楽しんだら、海人食堂で昼食。与那国は食事処が少なく営業時間も短いから、ここで食べ損ねると大変だ。本当は「ゆきさんち」でカレーを食べたかったが、残念ながら閉店してしまった。

カジキのツノ

食事の後 漁港をうろついていると、なんとカジキのツノが大量に置かれていた。与那国島はカジキの水揚げで有名で、ここで切り落とされたものだろう。同行者の一人がいたく気に入って、漁港の人に頼み込んで一本だけ貰っていた。

次回、与那国灯火採集編