虫採り動画上げてます!!
普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!
クモマツマキチョウ
まだ雪の残るころに羽化する高山蝶。この蝶は、虫採りを始めてからずっと憧れだった。
しかし僕は蛾屋。
もちろんクモツキも欲しかったが、この時期の蛾にも興味がある。メンバーが灯火装備を持ってきてくれるそうなので、二つ返事で採集に同行させてもらった。
2016.05.29
同行者の通う大学前で待ち合わせ。車にはバッチリ灯火装備。午前中に集合して、寄り道をはさんで日没前には南アルプスに着く計画。寄り道先は、山梨のクロツバメシジミ。高速を途中で降りて、ポイントへ向かう。
食草のツメレンゲは生えていたが、発見できず。1時間で諦めて、灯火場所へ向かう。ちょうど一ヶ月前にもお世話になった発電機を起動する。
まだ夜は肌寒いが、もう多くの蛾が活動する季節だ。しばらくすると、寒冷地の上品な蛾がポツポツやってくる。まだ羽化して間もない、新鮮な個体が多く見られた。
翌朝
これから往復30km近い山歩き。ガチスポーツマンの同行者は、早速走ってウォームアップする。元気だなぁ。
野呂川出会いからバスが出る。南アルプススーパー林道を北沢峠まで登るバスだが、6月まではバスが終点まで行かず、途中の歌宿で降ろされる。ここからながーーい舗装路をひたすら歩く。
バスを降りてすぐ見つけたのは、季節外れのエゾヨツメ。春の蛾だが、7-8月に生き残りが見られることがあるらしい。この個体も、その類だろう。
ゆるい坂になっている舗装道路を1時間以上上り、ようやく長野と山梨の県境まで登ってきた。しかしここからが本番。
谷筋にへばりつくように作られた道を進むと、急峻な斜面に美しい植生が広がる。新緑が目に眩しい。晴天なのに涼しく、歩いていて非常に心地が良い。
ここで灯火採集してみたい…。
こんな場所をひたすら歩いて、クモツキを探す。若干時期が遅いので、なかなか見つからない。小さな沢を見つけては入るを繰り返す。
体力もなくなり、同行者に追いつくので精一杯。
だんだん距離ができて、一人になる。
その時、目の前にフワフワ白い蝶が舞い込んできた。
慌てて網を被せる。
手が震える。
これは…
クモツキの♀だ!!!!!
結局、これが僕たちが採れた唯一のクモツキになった。
これ以外蝶はほぼ成果はなく、むしろ甲虫の方が多く見られた。白い砂地にはミヤマハンミョウが飛び跳ね、地面を歩く黒い虫を拾い上げれば、ミヤマカミキリモドキという珍品だった。
今ではもう山梨県でのクモツキ採集は禁止されているが、それを抜きにしても再訪の価値ある場所だった。ここで灯火採集してみたいですね。