カバイロシャチホコ 2016

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カバイロシャチホコ

カバイロシャチホコは、良好な湿地性草原に生息する蛾で、生息地が減りつつある希少な蛾の一種である。今回、幸運にも採集することができたので、その顛末をここに記す。


場所は静岡県伊東市

元々の狙いはカバフキシタバではなかった。カバフキシタバが伊豆にいるという情報を聞きつけ、東京から車で4時間かけてここまで来たのだ。そのため、明るいうちは雑木林に分け入って、木をルッキングしたり、食草のカマツカを探したりしていた。

イグチの仲間?

カマツカ(たぶん)

そして、このあたりで見晴らしのいい場所を見つけ、灯火ポイントとした。

見晴らしのいい、湿地性草原

セミの羽化

灯火を開始すると、ハネアリが大量に飛来してきた。低地で灯火すると、こうなりがちだと思う。しかも来る蛾も普通種が多い。唯一目を引いたのがツノトンボ。それ以外はすべて駄物に見えた。

そんな中、車のタイヤに見慣れない蛾が止まっているのを見つけ、写真を撮る。家に帰って写真を見ているときに初めて気づいたが、これがカバイロシャチホコ Ramesa tostaだった。当然この時は全く見向きもしておらず、

「初見の蛾がいるから、念の為採っておこう」

と、毒ビンに入れた。その時の記憶はないが、三角紙に入っていたので、おそらくそういうことだろう。

気付かず撮ったカバイロシャチホコ Ramesa tosta

その後カバフキシタバを待つも、まったく来ず。来るのは低地性の普通種と、クワガタばかり。

「ここは環境が違ったなぁ…」

完全に外したと思いながら、帰路に就いた。家で展翅を開始すると、図鑑で見た珍品がいることに気づく。

カバイロシャチホコ Ramesa tosta

写真を撮っていたことも、ここでようやく気付く。見慣れない蛾はちゃんと採る。これがとても大事なことだと、痛感した遠征でした。