虫採り動画上げてます!!
普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!
前回の続き
同じ採集地ばかりでは飽きてしまうので,今日は場所を変える。ここは人の手が加わったオープンランドな環境で,今までとは違った蝶が見られるだろう。友人はここでベニボシイナズマを採集していた(羨ましい)
すると,前回とは別の日本人グループに遭遇。なんと,てふ屋の柿澤さんツアー御一行。気さくに話しかけてくれて,パパイヤをごちそうになった。
このポイントではあまり採れなかったので,いつものキサップへ向かう。リブナを狙って木をしばいていると,トゲのある植物に網を取られてしまった。これ以降,一回り小さい赤い網しか使えなくなってしまう。
歩いているだけで,見たこともない虫が続々と現れる。雨季明けが進むと,蝶が羽化してきて種類が増えてくる。チャイロフタオやホウセキフタオなど,フタオチョウの仲間が姿を現す。フタオチョウは飛翔が非常に俊敏で,なかなか採ることが出来ない。ホウセキフタオは何度も振り逃して,最終的に友人に採集された。
今度はエリキノイデスの撮影を試みる。テリトリーを張っている蝶は近づいてもなかなか逃げず,撮影にも都合がいい。このエリキノイデスは良い被写体になってくれて,トリミング無しでこれだけ撮れた。
エリキノイデスの時間が過ぎた後は,リブナ探し。リブナはエリキノイデスより前にテリトリーを張る時間帯もあるようだが,その姿は観察できなかった。テリ張りを終えたリブナは,少し薄暗くなった林縁をゴイシシジミのように飛翔したり,林縁で休んだりする生態がある。なので,林縁の木を叩いてまわった。すると,叩いた木から白い蝶がふわふわ落ちて下草に止まった。
駆け寄って網に入れる。
これは…
リブナだ!!!
ぱっと見が似たシジミチョウにアシナガシジミの仲間(エビアシシジミやカニアシシジミ)が居るが,それに比べ翅形が丸いので,近くで見るとすぐ区別がつく。オスは表が緑色に輝き,メスは白い紋がさす。ただでさえ珍品なのに,交尾個体なんてなおさら珍しい。網越しにしか写真を撮れなかったのが悔やまれる…
東南アジアの蝶はキララシジミだけではない。給水ポイントでGraphium(アオスジアゲハの仲間)やカラスアゲハの仲間を狙ったりもした。給水採集のテクニックに,ポイントに蝶の翅を置くというものがある。同種の翅が落ちていると,飛んでいる蝶が安心して給水に訪れやすくなるのだ。
今回の海外遠征は全部で10日間。時間はあっという間に過ぎ,気が付けばもう帰国の日を迎えた。目標のキララシジミも採れ,大成功な遠征となった。
よく「日本での採集だけで満足」という人がいるが,絶対に行けるうちに海外で採集したほうが良い。僕も初めは「海外はまだ行かなくていいかな」と思っていたが,早く行くべきだったと今では思う。昨今の海外採集事情は非常に厳しく,虫屋が逮捕される例もある。自分一人で下調べするのは難しいので,できればベテランとコンタクトを取って事情を教えてもらうのがいい。
安全と法律に気をつけて,みんなも海外行きましょう!
ランカウイ島編おしまい