エゾベニシタバ、ミヤマキシタバ 2019

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2019年8月

この年はカトカラ全種制覇の旅と題して、未採集のカトカラを狙う遠征を何度も行っていた。5月にアサマキシタバ、7月にヤクヒメとナマリキシタバを落としていた。そして8月、エゾベニシタバとミヤマキシタバのシーズンになった。

この年はちょうどマホロバキシタバという、日本新記録のカトカラが発表されたこともあり、日本のカトカラ制覇は自動的に来年以降となった。しかし、そうやって採集を先送りしていては、いつまで経ってもカトカラ制覇などできるはずもない。そう言い聞かせ、信州へエゾベニとミヤマを採集しにいったのであった。


まずはエゾベニシタバ。

写真のような岩場に、昼間張り付いているらしい。網を伸ばして岩場をつつくと、突然エゾベニシタバが飛び出した。しかし、岩場に止まるとすぐ見えなくなる。

下の写真にもエゾベニシタバが隠れているのだが、おわかりいただけただろうか?

エゾベニシタバが1匹隠れています。(ヒント:左半分。答えは最後。)

網で脅かして、たまたま下に降りてきた個体を直接毒瓶に入れて、採集!!!

エゾベニシタバ Catocala nupta

次に、キベリタテハを探す。ゴイシシジミがいる林では、アカハナカミキリなどを採集。少し移動すると、明るい場所に出た。しばらく歩くと、キベリタテハと出会うことができた。

アカハナカミキリ

フキヨトウ? Hydraecia petasitis

キベリタテハ Nymphalis antiopa

道端を見ると、色とりどりの花や実が成っている。「トリカブト」や「マタタビ」といった、一般人でも知っているような植物は、このような高原の道端に生えていたりする。

トリカブト

マタタビ

更に移動して、ミヤマキシタバの実績のある場所へ。実はミヤマキシタバ採集自体は別な場所で何度もチャレンジしていて、すべて坊主を食らっていた。さすがに心が折れたので、確実に採れる場所へ来たのである。

ライトを点灯すると、すぐにヤママユの♀が飛来した。

ヤママユ♀ Antheraea yamamai

次にやってきたのは、ヒメシロシタバ。近くにカシワでもあったのだろうか、この日だけで20匹は飛来した。

そこへ、続々と大型カトカラが飛来する。まずはキシタバ、ワモンキシタバがすぐやってくる。次いで、9時ごろにシロシタバとオオシロシタバが飛来する。カトカラは、どれも時間に正確なのだ。

オオシロシタバ Catocala lara

オオシロシタバフリー素材

そして10時30分ごろ。このカトカラの集まり方なら、そろそろアイツが来てもいいころだ…そう思っていると、シロシタバに混じって別なカトカラが幕の周りを舞い始めた。

やはり…

ムラサキシタバ Catocala fraxini

ムラサキシタバを撮る同行者

蔵王で灯火した時も、ちょうど10時半に飛来した。どこへ行ってもこいつは10時半の蛾なのだろう。しかし、そろそろ深夜だ。ミヤマキシタバがそろそろ来てもいい時間だが、一向に気配がない。諦めて、いったん寝ることにした。

そして深夜2時ごろ。

同行者はまだまだ元気で、外でずっとミヤマキシタバが来るのを待ちわびている。車の中から彼らの様子を見ていると、急に指を指し網を持って走り出した。

まさか、あれが…?

車から出て、捕まえたブツを見せてもらう

ミヤマキシタバ Catocala ella

ミヤマキシタバ!!!!

とうとう来たな!!!深夜飛来というのは聞いていたが、このくらいの時間なのか。結局、その後ミヤマキシタバは続々と飛来し、合計で8匹ほど採集できた。最後に、これまた深夜飛来のベニシタバを採集して灯火終了

ベニシタバ Catocala electa

この灯火で採ったカトカラは以下の14種類でした。

エゾシロ、シロ、オオシロ、ヒメシロ

キ、マメ、ワモン、ハイモン、ノコメ、コガタ、ミヤマ

ムラサキ、ベニ、オニベニ

カトカラの宝庫すぎた…

最後に、エゾベニシタバ探しの答えはこちらです。

こんなん普通見えない。

エゾベニシタバ探し、答え