沖縄本島 ライトトラップ 2015

虫採り動画上げてます!!

普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!


沖縄本島

僕の所属していたサークル,生研には毎年沖縄で春合宿がある。のべ20~25日間の行程で,色々な島を巡る。春の沖縄はとてもいいシーズンで,その時期限定の虫がたくさんいる。有名なのはオオヒゲブトハナムグリやムネモンウスアオカミキリだが,春限定の蛾も多い。2015年の春合宿でも,沖縄の春の蛾と出会うことが出来たので紹介したい。


2015年3月中旬

朝羽田を出発し,昼に那覇へ到着。車を借りて,国頭村のキャンプ場まで3時間。着いた頃には日が傾いて,晩御飯の準備。キャンプ場の炊事場で調理していると,明かりに蛾が集まってくる。

クロズエダシャク(春モノ,西日本限定)

クロズエダシャクは大人気Biston属のシャクガで,春の西日本や南西諸島限定の虫だ。Biston属コンプリートを目指す関東住みにとっては,なかなか関門になる種なのでは?

カワムラトガリバ(春モノ,西日本限定)

こちらも春の西日本や南西諸島限定の蛾。とはいえ個体数は多く,色々なところで得られる印象がある。

モウセンゴケ

トビスジヒメナミシャク

未同定

キャンプ場周辺は自然が豊かで,湿地のような環境にモウセンゴケが生えていた。雨の日には色々なヘビやカエルも観察できる。

オキナワカギバ or オオフトカギバ

展翅しないと自信がないが,何れにせよ西日本の蛾。

クロシオハマキ

ナンカイキイロエダシャク(春モノ)

春の蛾で,四国~南西諸島限定。ただし,カワムラトガリバ同様個体数は多く普通種。

ヤモリ

ヤモリにも色々種類があるらしいが,詳しいことはよくわからん。

ヒル

ヤスデ

オキナワシリケンイモリ

川や池が近くにあるため,水辺の生き物が道に出てきた。

翌朝

今回の沖縄は気温が低く,まったく蝶が飛ばない。目当てだったオキナワカラスアゲハも得られそうにない。仕方がないので海へ行ってみたり,少しでも蝶が居そうなポイントへ行ってみたりするが,空振り。

辺野古の海

当て所なくさまよって見つけた海岸

コノハチョウ(天然記念物)

リュウキュウウラボシシジミが居そうなポイント(居なかった)

夕方

沖縄に来た目的は実は灯火だけではない。実はこのキャンプ場の森林で,夕方ヒゲナガガの仲間が大量に乱舞するのだ。

アマミヒゲナガ

アマミヒゲナガ

タイワンオオヒゲナガ

ヒゲナガが飛翔する時間帯も終わり,晩御飯の準備に取り掛かる。明かりをつけると,東屋の中に蛾が飛び込んでくる。普通の人には迷惑な話だが,蛾屋にとっては天国だ。

ミナミノクロシャチホコ(春モノ,奄美沖縄限定)

オキナワウスベリケンモン(沖縄限定)

ミナミノクロシャチホコとオキナワウスベリケンモンは,南西諸島限定のなかでもそこそこ大きさがある。これらが採れたので,来た甲斐があったというものだ。

キスジビロードナミシャク(沖縄限定)

未同定

後輩とコンジンテナガエビ

巨大イラブチャー(800円)

エビ屋の後輩は調査用とは別に,食べる用のエビを採ってきていた。名護のAコープでは地元の食材が格安で売っていて,とてもコスパがいい。ヤンバルは生き物屋のキャンプにもってこいの環境だ。夜は小雨が降り,森から両生類が出てきて観察大会になった。

撮影大会

ホルストガエル(天然記念物)

イボイモリ(天然記念物)

ナミエガエル(ヤンバル固有種)

ヒメハブ

翌朝

合宿はここから石垣島へ移動となる。僕は離脱して,一日沖縄本島に滞在して帰る。なので,沖縄観光で泡盛の老舗「瑞泉酒造」を訪れた。

瑞泉酒造

瑞泉酒造は首里城の裏手にある。琉球王朝から泡盛造りを許された由緒ある酒造所で,首里城の瑞泉門のほとりにある湧水「瑞泉」から名をもらっている。スーパーに安く売っている泡盛のイメージが強いが,古酒などのラインナップも豊富。泡盛は沖縄戦で全酒造所の麹菌が一度途絶えたという歴史がある。そのなかで唯一この瑞泉酒造は戦前の麹菌が東大に保管されているのが見つかり,昔と同じ麹菌で作った泡盛が売られている。

首里城

沖縄民謡

沖縄料理

その後首里城を周り,夜は国際通りで民謡と泡盛を楽しんだ。ちなみに,このブレンド古酒がめちゃくちゃ美味でした。晩はゲストハウスに泊まり,翌朝那覇空港のスラムことLCCターミナルでバニラエアに乗り羽田へ帰りました。

おしまい