虫採り動画上げてます!!
普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!
前回の続き
オオヒゲブトチャレンジは午前中で切り上げ、別のポイントへ転戦。
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河原では、ミカドアゲハやミナミキチョウが給水していた。給水中の蝶は警戒心がゆるく、近づいても逃げにくい。
日当たりのいい林道は絶好のポイント。大きな黒い蝶が飛んだと思えば、ヤエヤマカラスアゲハだった。本土のカラスアゲハと比べて色が一様で、べたっとした印象がある。
ヤエヤマカラスアゲハは、2012年に本土のカラスアゲハから独立して、亜種から別種に格上げされた。台湾に同種が生息するが、そちらは昔ながらの呼び名「カラスアゲハ」で呼ばれるため紛らわしい。
虫採りが初めてだという同行者のPくんは、シンジュサンの幼虫を発見
カミキリを狙うも、まだあまり発生していなさそうな雰囲気。そこで林内で幼虫を探す。それっぽい枝を見つけて中を見てみると、幼虫が続々と見つかる。カミキリはよく分からないが、この一帯にものすごい密度で生息しているように思えた。
いかにも虫がいそうな洞をほじくると、ヒメマルゴキブリの♀が出てきた。♂は普通のゴキブリらしい姿をしているらしいが、未見。
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いい時間になったので、灯火採集スタート
八重山らしい蛾がたくさん飛来する。今の時期の本州で灯火しても、寒すぎて何もこない。そんな時期でも、八重山で灯火すればこれだけの蛾が楽しめる。これも八重山の魅力の一つ。
朝方、灯火に残った蛾を拾う。セダカシャチホコは沖縄のものは茶色みが強い。
そして最終日
ずっと狙っていたオオヒゲブトハナムグリのポイントへ。できるだけ早く行くことで、最もいい場所を陣取ることができる。だか、既に何人か入っているようだった。
なんとか見つけた森林ギャップで、晴れ間を待つ。石垣に来てから、だんだん気温も高くなり、オオヒゲブトハナムグリも飛び出してきた。
少ないながら飛んでいる、素早いそれを網で必死に追う。最終的に友人からいいポイントを譲ってもらい、4匹ゲット。甲虫屋ではないので、この辺で満足しておこう。
同行者の甲虫屋が池に仕掛けていたトラップを回収。メインターゲットはゲンゴロウだが、大きな手長エビなどもたくさん入る。
さて、最終日の灯火スタート!!
はじめのうちは車の外に出て虫を待つ。だが、だんだん疲れて車の中に戻っていく。同行者の一人に至っては、足を伸ばして寝たいと言って車の外で寝袋なしで寝だす始末。眠い目をこすって30分に一度起き、幕を見て寝るを繰り返す。
ナチアオシャチホコはアオシャチホコの中でも緑色が濃く美しい。南西諸島には他に、奄美大島のアマミアオシャチホコ、西表島のイリオモテアオシャチホコなど、良いアオシャチホコが分布している。
これを採った後、幕にイナズマヒゲナガ♀が飛来しているのを発見。慌てて毒瓶をかぶせて採集。まさか二匹目が採れるなんて夢にも思わなかった。確かに一匹目を採ったのもこの山なので、偶然ではないのだろう。
ここでようやく大物が飛来。
遠征の目的の一つであった、ルリオビクチバの仲間がやってきた。
どれだけこの蛾を待ち望んでいたことか。震える手で毒瓶をかぶせる。毒瓶をじっと持って、背中がはげないことを祈る。そして、その青い帯の羽ばたきが止まる。
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「ルリオビクチバ初採集!!!!」
興奮冷めやらぬなか、次々とやってくる蛾を採集する。深夜になり、幕にいるメンツが固定化しても灯火をやめてはいけない。なぜなら蛾の中には、明け方にのみ飛来するものがいるからだ。
その一つが、スキバドクガ♂だ。
だいたい朝4時ごろ、薄明かりの中飛来する。雄はその名の通り翅が透けてドクガらしくない見た目をしている。明け方まで粘り強く灯火採集をしていた者のみが得られる、貴重な蛾だ。
遠征序盤で採集したスキバドクガの蛹は羽化して、♀も採集することができた。
今回の遠征では、南西諸島で本格的に灯火採集することができたその結果、サビモンルリオビクチバやイナズマヒゲナガなど、珍品を採集できた。また、野外で見つけた幼虫を回収して、羽化させた。今後も幼虫未知の蛾を引き当てるまで、この「幼虫ガチャ」は続けていきたい。