フレンチギアナ昆虫採集 【昼間編3】

虫採り動画上げてます!!

普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!


アグリアスを採集した前回

気温が上がってきたのか,モルフォ各種の種類が増えてきた

この場所に生息するモルフォは全部で7種

メネラウス、デイダミア、アキレス、レテノール、アドニス、ヘクバ、ユーゲニア

メネラウスとデイダミアは既に採集済みなので、残り5種

アドニス、レテノールは日中やや高い所を飛んでいる。

アキレスは見た目も飛んでいる場所もデイダミアに似ている

これらは頑張れば採れそうだ

しかし、ヘクバとユーゲニアは別格だった

ヘクバは頻繁に目にするが、地上15mくらいの高所を悠然と滑空している

偶然低いところに降りてきたのを狙うしかない

ユーゲニアは朝の6時から15~30分くらいの間しか姿を見せないモルフォだ

こちらも数は少なくないが、1日に1~3回しか網を振るチャンスがない

しかも辺りは薄暗いので分が悪い

通称、「ユーゲニアチャレンジ」

毎朝やっているが、採れない日が続いた

そんな日の昼も、ヘクバを狙ってポイントを散策していると、

何か甲虫らしきものが飛んでいくのが見えた

慌てて網を振る

運よく入った

Lycomimus albocinctus Melzer 1931

なんだこれ!?ヤベー奴か!!??

明らかにベニボタルに擬態している…エリトラが外側にめっちゃ張り出してる…

Lycomimus属以外にもベニボタル擬態のカミキリは南米に沢山いて、調べるのに苦労した

南米はカミキリ以外に蛾、ハムシ、マドボタルなどなどがこぞってベニボタルに擬態している

真剣に集めれば面白いコレクションになるだろう

他にも,今回の遠征で目にした擬態で個人的に特筆したいのが,蜂に擬態したヒトリガの仲間だ

日本のスカシバガ同様,擬態のクオリティが非常に高く,人間でも騙される

なぜ擬態するのか,どうやって進化したのか

昆虫の擬態には興味が尽きない

 

丁度,朝8~10時

メネラウスが飛び始めてしばらくした後に,ちょっと高めのところを飛ぶモルフォが居ることに気が付いた

不規則なモルフォの動きをよくみて、待ち構えるように網を振る

……

Morpho adonis ♂

アドニスだ!!

他のモルフォと比べて、水色に近い青なのが綺麗…!

なんとなく時間帯と場所が分かった

これなら,複数採集も狙えそうだ…!

よかったよかった

アドニスの時間帯が終わった11時以降

晴れ間が続いて虫の数も増えたらしく、バナナトラップにもモルフォが入りだした

トラップに入ればこっちのもの

手を突っ込んで捕まえる

Morpho rhetenor ♂

レテノール!

他のモルフォより青が深く綺麗!

レテノールは状態の良い奴が多かった

また、決まってアドニスより後の時間帯に多く目撃した

ゼフみたいに時間帯で棲み分けしてるのかな?

 

 

環境を変えて,ちょっと林縁の薄暗がりを覗いてみると

林の中をチラチラ飛ぶ奴が

ドクチョウ

おお!翅が透明なドクチョウ!

全く知らなかった蝶が多くて、南米楽しい…ハマりそう…

 

あんまりにも暑いので,一旦ロッジに戻って休憩

すると、はるきのこくんが

Morpho hecuba ♂ 裏

Morpho hecuba ♂ 表

「ヘクバ2匹とったから1匹あげるよ」

まじか!!

どうやってそんな採ったの…

「たまたま低いところに止まった」

ぐぬぬ…

こちらも休んではいられない

そう思いお決まりのコースに向かう

ふと,林道の薄暗い部分の枝にぶら下げたバナナにモルフォが止まっているのに気づく…

向こうはバナナに夢中だ

そっと近づき,下から網を持ち上げてバナナごとモルフォを網に入れる

モルフォは飛翔力があまりないため,すぐには網から脱出できない

その隙に振り抜き,捕獲する

Morpho Meneraus ♀

これは…メネラウスの雌だ!

胸をつぶしているそのとき、頭上に大きなモルフォの影が…

ヘクバだ!!!

〆たばかりのメネラウスを投げ捨て網を取る

ヘクバが一瞬降下した隙を狙って網を振る

やったか…?

Morpho Hecuba ♂

採れた!!!

ボロいけど、自己採集!!

嬉しい!!

メネラウスの♀も嬉しい!!

Morpho Hecuba ♂ and Meneraus ♀

ほんの数十秒で2匹仕留めたので、取り込む暇がなかった証拠写真

旅程もそろそろ終わりが近づいてきて、次第にモルフォも制覇しつつあった

しかし、まだ採っていない奴が居る…

残るは、ユーゲニア…!

果たして採れるのか…?

次回、ユーゲニアチャレンジ!

フレンチギアナ昆虫採集 【昼間編4】