フレンチギアナ昆虫採集 【昼間編4】

虫採り動画上げてます!!

普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!


前回の続き

「ユーゲニアチャレンジ」

朝6時から15~30分の短い間に飛ぶユーゲニアモルフォを採集するチャレンジ

僕とはるきのこの間では,そう呼んでいた

朝6時はとても薄暗い

しかも,ユーゲニアはどこから飛び出すか分からない

そのため,打率はとても低い

現に,今だ僕もはるきのこも採れていなかった

しかし,チャンス自体は確実に訪れる

森の中の開けたところで待っていれば,一匹は目撃できる

そんな,一日の始まりを告げるチャレンジだった

薄暗い早朝

既に遠征終盤

既に何度もユーゲニアチャレンジに失敗している

同じ時間に黒い大きな蝶を見かけたので、採ったらフクロウチョウだったこともある

フクロウチョウ

フクロウチョウ

これはこれで嬉しいが、君ではない

ユーゲニアが欲しい!!

眠い目を擦り、ユーゲニアが飛び出す広場へ向かう

その場所は丁度林道の三叉路になっていて、三方向からモルフォが飛んでくる可能性がある

何処から来るかわからない反面、一日で三匹は見ることができる良ポイントだった

…来た

ユーゲニアだ

他のモルフォと同様、ヒラヒラと飛ぶその姿に翻弄される

この遠征中に幾度となくモルフォを網に収めた

網で追ってはいけない、待ち構える

それが、なんとなく掴んだ成功パターン

しかし、分かってはいてもなかなか上手くはいかない

その日の一匹目は振り逃がした

次のチャンスを待つ

五分も経てば、辺りはずっと明るくなる

決まった時間に蝉の大合唱が始まる

再びチャンスがめぐってくる

今度はモルフォがこちらに向かってくる飛翔ルート

網はモルフォに気付かれないよう低めに構える

振る

いけるという不思議な確信があった

幾度となく振り逃したユーゲニアが、きれいに網に収まっていく

Morpho Eugenia ♂

Morpho Eugenia ♂

やったあああああああああああああああああ!!!!

パッと見の印象はアドニスに似ている

しかし、アドニスよりも更に薄い水色!!

さらにアドニスよりも大きい!

美しい…頑張った甲斐があった…

これでモルフォはコンプリートだ…!

 

 

南米の遠征中、モルフォばかり狙っていたわけではない

南米に来たからにはモルフォ以外にもやることが山ほどある

一つはシロアリの巣漁り

南米の森には大きなシロアリの巣がそこらじゅうにあり、そこに居候する好白蟻性昆虫を狙うのだ

シロアリの坑道

シロアリたち

シロアリの巣に向かうはるきのこくん

同行者のはるきのこくんと共に、ターゲットの巣へ向かう

人の背丈ほどの巨大な巣だ

シロアリの糞を積み重ねて出来たであろう巣で、材質は非常に硬く、重い

木にやっとのことで張り付いているので、ハンマーで衝撃を加えれば比較的容易に落ちてきた

落ちた巣を崩していく

その中から、目当ての虫を探す

崩したシロアリの巣

シロアリの巣の材質

シロアリ女王

早速、女王様のお出まし!

体は大きいがとても柔らかく、洗練された動きで素早く細い坑道に潜っていく

巣を壊すときに潰れなくてよかった…

巣の中心部には大量のシロアリが潜んでいた

それに紛れて、シロアリの居候が…

大量のシロアリ

鱗翅幼虫?

ハネカクシ

カニムシ

ヤスデ

一つの巣にしては少なめだけど、楽しい!

ハネカクシはシロアリに擬態してるような見た目で、面白い!

割って探すだけの採集なので、焦ることはない

ビールを片手に作業する

端的に言って最高の一日だった

 

 

さて、南米に来てやるべきことはもう一つ

シタバチだ

南米にはシタバチという美麗種が生息している

オスは花を訪れ、メスを誘引するための化学物質をあつめる

そのため長い舌を持っており,シタバチの名がついた

シタバチは採集するトラップを使えば簡単に採集ができる

花が出す化学物質を用意すれば、オスが簡単にそれに集まってくるのだ

晴れた日を見計らって,日当たりのいい場所にペットボトルトラップを設置する

あとはハチがトラップに落ちるのを待つか、網で採ればよい

単純な採集だが、様々なシタバチが集まる

クマバチ型のシタバチと緑,青色に光るシタバチをよく目にした

緑色のシタバチに種類が多いようだが、青色のシタバチもいる

熊蜂のようなシタバチは数が多く、非常に可愛い

採集したシタバチは合計200匹ほど

それらをはるきのこくんと二人で山分けした

採集したシタバチ

 

 

適当に散策してみると、思わぬ副産物に出会う

ときには,専門の人が悔しがるような虫をひょっこり採ってしまうこともある

物欲センサーだろうか

三色のカミキリ,Phaedinus tricolorも,甲虫屋のはるきのこを差し置いて僕が拾ってしまった虫だ

向こうも良い蝶をたくさん採っているので、交換に出したが

Phaedinus tricolor

ブローチハムシ sp.

ハゴロモ

 

蝶に関しても、時期が進むにつれ遠征はじめには見なかった鱗翅が出てくるようになった

スカシジャノメ sp.

ハマキモドキ

シジミタテハ

スカシジャノメ sp.

カスリタテハ sp.

ウラナミタテハ sp.

別の時期に再訪するのも楽しそうだ

欲を言えば、ベニスカシジャノメとかムラサキスカシジャノメとか採れると良かったなあ

 

 

遠征中に一度だけカストニアと遭遇した

タテハチョウのようにテリトリーを張り、枝にとまった

何度か振るチャンスがあったが、緊張のあまりすべて振り逃してしまった

余りに悔しかったので、遠征から帰って振り逃したのと同じ種を即売会で買ってしまった

今度南米へ行ったときは自分の手で採りたい…!

リクスカストニア Telchin licus (Drury, 1773)

遠征の最終日に、ロッジを管理しているインターン生が蛇を見せてくれた

ヘビ

ヘビおこ

彼も丁度インターンが終わるらしい

バナナトラップや電源、諸々でお世話になった

帰りの空港までの車の中では「次はフレンチギアナ以外の、もっと南米の標高の高いところに行きたい」と言ってしまったが、また会えるといいな

女の子の方は最近来たばかりで、あと一年ほど滞在するらしい

なんにせよ、楽しい旅でした

誘ってくれたはるきのこくん、現地でお世話になった方々、ありがとう!

また南米行くよ!

集合写真

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フレンチギアナ 昆虫採集 【生活編】