台湾 昆虫採集 2

虫採り動画上げてます!!

普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!


前回のつづき

台湾3日目。昨日の昼と同じ採集地にやってきた。

某沢沿い

某沢沿い

林道に入ると早速タイワンヤツボシハンミョウが出迎えた。このハンミョウは2002年以降,西表島に移入している。

沢沿いで採れたタイワンヤツボシハンミョウ

蝶はというと普通種が沢山採れるが,それだけ。奥は珍種の宝庫らしい。が,道の途中に民家があり住民に追い返される公算が高い。おまけに犬が放し飼いされているらしい。

とてもではないが,乗り気にはなれない。この場所での採集はそこそこで切り上げ,次の場所へ移動。今度は,河の対岸の古い有名産地にやってきた。入り口で,今度はハサミムシが出迎えてくれた。

ハサミムシ類

スジハサミムシモドキかと思ったが,どうやら違う?この後,どこかに飛んで消えた。

道路脇の落ち葉

道路脇をみると,落ち葉が積もっている。こういうところには…

クワガタ類

うん,クワガタわからん。お持ち帰りならず。傾斜のある林道を登っていくと,たびたびタイワンルリモンアゲハが飛んできた。

この林道は,いいぞ!

そう思って登り進み,広場に出た。

林道の明るい広場

林道の広場には,蝶が集まりやすい。しばらく,ここで粘ると…

ルリジャノメ

ナガサキアゲハ♀

タイワンルリモンアゲハ♂

ヒメフタオチョウ♂

珍品ではないものの,台湾らしい蝶が採集できた。帰り道には,ハナムグリ類の交尾個体が落ちていた。綺麗なので,キープ。

藍艷白點花金龜 Protaetia inquinata Arrow, 1913

そろそろいい時間になってきたので,お昼ご飯へ向かう。入ったのは,茶屋を併設する食堂。

食堂

茶葉

キレイな茶器

お茶を試飲させてくれた

料理が出てくるまでの間,お茶を頂いた。器にお湯を注いでは捨てを繰り返し,茶器を温める。丁寧に入れたお茶は,とても美味しい。お土産に紅茶の茶葉を買ったが,とても満足している。

色鉛筆で丸をつけて注文する

空芯菜

チャーハン

鱒の清蒸魚

当然だが町中には中華料理のお店が多く,どこでも美味しいチャーハンが楽しめる。奮発して清蒸魚を頼んだが,これは少し量が多かった。そうこうしているうちに,天気が悪くなってきた。採集モードから観光モードへ気持ちが移行する。

そして訪れたるは,「木生昆虫博物館」

初代館長である余木生氏が建てた博物館で,圧倒的な数の昆虫標本が展示されている。特に蝶の標本数がすごく,世界中の蝶がここに集まっている。蝶屋は必見だ,間違いなくおすすめ。

木生昆虫博物館

博物館の標本室

マイマイカブソ

次にやってきたのは,台中酒郷。埔里は紹興酒が有名で,その歴史と味を知ることができる。今回はレンタカーなので試飲はせず,お土産の紹興酒を買った。

台中酒郷

壺回廊

観光を終えていざ灯火という頃,突然スコールが降り出す。これはもう無理かもしれない…。しかし,灯火できるのはあと2晩のみ。できるだけ雨の弱い場所に移動して灯火することにした。車で少し移動するが,元々目星をつけていた場所へ向かう。たどり着いたが,そこもかなりの土砂降りだった。仕方ない,来る途中に雨が弱い場所があったから,そこまで戻ろう。そう思った矢先,前を走る工事車両が木にぶつかり立ち往生。

道を塞ぐ工事車両

踏んだり蹴ったりだったが,なんとか目指したポイントまで戻ってきた。幸い,雨は土砂降りではない。なんとか灯火総研を設置して,いざ点灯。

雨の中でも点灯

雨のせいか,蛾の集まりが非常に良い。点灯してすぐに幕が蛾で一杯になる。そこに,Actiasが飛んできた。

これは…

長尾水青蛾 Actias ningpoana ningtaiwana

漢字をそのまま読むなら,ナガオミズアオか?もちろん,日本のオナガミズアオ Actias gnoma gnomaではない。台湾のActias最普通種ではあるが,初見なのでうれしい。雨を避けて車内で待っていると,続々と蛾がやってくる。時折外に出て,確認を繰り返す。

コカブト

フタテンアカクワガタ

窄翅綠夜蛾 Checupa stegeri Hreblay & Thoeny, 1995

ハグルマヨトウ

ナカジロナミシャク Melanthia procellata

ツキワクチバ

未同定

ツマキリアツバ類?

未同定

ルリモンホソバ

ネジロフトクチバ Serrodes campanus Guenée, 1852

トビイロリンガ 鏽血斑瘤蛾 Siglophora ferreilutea Hampson, 1895

オオマエベニトガリバ Tethea consimilis

白紋駁夜蛾 Karana gemmifera (Walker, 1858)

すると,同行者が大きな声を上げた。

何だと思って見てみると。

オニツヤクワガタ

でかっ!!!

80mm以上はあるのでは?

マルバネのようなフォルムが重量感を際立たせる。

ひとしきり撮影したあと,蛾を見て回る。

オオシロテンアオヨトウ 暗斑陌夜蛾 Trachea punkikonis Matsumura, 1929

未同定

未同定

白斑胯舟蛾 Syntypistis comatus ♀

吉本氏異齒舟蛾 Hexafrenum leucodera yamamotoi (Nakamura, 1978)

Cuculiaが飛来したときはテンション上がった

帰宅後調べても同定できていません…

シャチホコガでした。日本のツマジロシャチホコと同属。

綠霧閃裳蛾 Sypna chloronebula Ronkay, Ronkay, Wu & Fu, 2013

大きめのアツバは好きではないのでスルーしていたが,実は台湾特産種だったらしい。採っておけばよかった…。

狹翅豹紋尺蛾 Parobeidia gigantearia marginifascia Prout, 1914

ヒョウマダラっぽいデザインの蛾。日本では西の虫。

ミズメイガ類

ミズメイガの仲間が来るととりあえず興奮する。

ツクツクボウシ

タッタカモクメシャチホコ 尖鋸舟蛾 Kamalia tattakana (Matsumura, 1927)

オオアカヨトウ Apamea lateritia?

長斑擬燈蛾 Asota plana lacteata (Butler, 1881)

カワゴケミズメイガ Paracymoriza vagalis (Walker, [1866])

帰宅後,写真を見返してカワゴケミズメイガだと気づいた。おそらく採っていない…悔しい…。

順調にいい蛾が集まりつつある。ならば,目的のカトカラもそのうち…。そう信じて見回りを続けると,幕にとまる大きな蛾が…。

アマミキシタバだ!!!

急いで毒ビンをかぶせる。

アマミキシタバ

台湾初カトカラ!!!!雨の中,強行した甲斐があった…。良い灯火採集だった。体力も尽きてきたので22時ごろに撤収~~。

台湾採集3日目は,昼も夜も比較的成果の出せた日でした。

次回へ続く

台湾 昆虫採集 3