キャメロンハイランド 昆虫採集2018 その8

前回の続き

今回のマレーシア遠征は、ずっと高標高地に籠もっていた。そのせいで、ベニモンアゲハなどの低地性の蝶が全く採れていない。同行者の甲虫屋もゲンゴロウやタマムシを狙いたいらしい。最終日は低地へ行くことにした。

まず向かったのは、クアラ・ウォー。ここは川沿いの観光地で、川の脇から温泉が湧いている。そのため、地元民の川遊びスポットになっている。アカエリトリバネアゲハの集団吸水も見られるということで、写真撮影にやってきた。しかし時期でないためか、全くアカエリトリバネは見られず。露天のハンバーガーを買って速攻退散。

その後、道路沿いの小道に分け入ってパイナップルトラップを仕掛ける。ジャノメ、ワモンチョウ、モリノオナガシジミを採集することが出来た。オオイナズマの類もまれに飛んでいたが、全く捕まえられず。

今度はグーグルマップで良さそうな湿地探し。地図で見ると、至るところに池があって、湖畔は大抵湿地になっていそうな雰囲気。入れそうな場所を探してガサガサすると、幸先よくコオイムシの仲間が採れた。

しかし、暑い。日光を遮るものは何もなく、30分もすれば熱中症になってしまう。気温は35℃をゆうに越えているだろう。あまりに暑いので、湿地からはすぐに退散。池の周りを流して蝶を探す。小さなネッタイアカセセリの仲間や、トンボはよく見られる。それらには見向きもせず、車内から黒い大きなチョウを見つけては車を止め、全力ダッシュでそのチョウを仕留めた。

ベニモンアゲハ Pachliopta aristolochiae

沖縄にいるベニモンアゲハと同種。このときはオオベニモンアゲハを狙っていたが、どうやらマレーには分布していないらしい。

鍾乳洞に入れるようなので、洞窟性の昆虫などを探すことにした。どこまで行くかによって入場料が変わり、そこそこの料金を取られる。最深部は環境保護のためかライトアップをしておらず、インストラクターの同行が必須となっている。内部はかなり広く奥まで続いていて、かなり大規模な鍾乳洞のようだ。そこまでガッツリ探索するつもりはないので、最深部一歩手前までの入場料を払って入場。

ライトアップされた洞内を、整備された道沿いに歩く。観光客も多く、多くの人とすれ違う。これだけ整備された洞窟だからか、昆虫の気配は薄かったが、よく目を凝らすとカマドウマを観察できた。カマドウマは水浸しの地表を徘徊しているようだ。一方岩場では、カニムシ、ヤスデ、ウデムシを観察できた。ウデムシのような高次捕食者がいる洞窟なので、ライトアップされていない最深部を探せばさらに色々な生き物がいるだろう。

さて、年末の長期休みを利用したマレーシア遠征もここで終了。ホテルにチェックアウトの旨を伝え、早めに空港へ向かう。高速道路も渋滞せず、スムーズに到着。今回の遠征も、特に大きな事故なく終えることが出来た。今はコロナ影響で、海外遠征に行けない日々を過ごしている。早くまた海外で虫採りしたいものだ。

マレーシア遠征2018

おわり