虫採り動画上げてます!!
普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!
奄美大島
毎年春は沖縄へ遠征へ行っていて、まだまだやることは残っているのだけど、そろそろ奄美大島へ行かねばと思っていた。当時M2の僕は、残り2回となった春休み期間を、この奄美大島遠征に使うことに決めたのだった。
奄美大島へは当時バニラエアが就航していて、片道1万円以内で行くことができた。奄美空港について、レンタカーを借りる。
今回の遠征は一人旅。宿も取らずに車中泊する、格安学生旅だ。灯火採集する蛾屋にとっては、毎晩同じ寝床に戻らなくてはならないのはデメリットで、その意味でも車中泊はメリットが大きい。
島の中央を貫く国道58号線を南下し、道沿いのお店で鶏飯を食べる。「ちょっと豪華なお茶漬け」くらいのものかと思っていたが、これがまた予想以上に美味しかった。以降の奄美での食事は、どれも美味しいもの揃いだった。虫採りではなく、観光とか食事のためだけに、また訪れたい。
腹ごしらえを済ませて、最近集めているミクレピを探す。奄美はミズメイガの宝庫で、エンスイミズメイガやスジグロミズメイガなど、関東では見られないものが多く生息する。下調べで見つけた地名を頼りに、生息環境を想像しながら網を振る。
写真のような水際の下草をスウィーピングしていたが、ミズメイガの類は全く入らず。しかし、ミクレピは飛び出すのでせっせと採集する。採集したものを家で同定してみると…
珍品、チビアヤヒメノメイガ!!!!旧北区の温暖地域に広く生息するが、日本では極めてまれな蛾。訳分らん採集をすると、思わぬ珍品が採れるというのを痛感した。
草地での採集を切り上げ、南部の山を目指す。途中カシの木が開花していればヒゲナガガが狙えたが、どうやら時期が早く全くおらず。下調べで見つけた展望台に到着。暗くなるのに合わせて幕を張り、蛾が来るのを待った。
キノカワガやナンカイキイロエダシャク、カワムラトガリバなど。春の沖縄でも見られる蛾が飛来する。目当てのアマミキシタバは見る影もなく、ただ時間だけが過ぎていく。
そんな中、ようやく奄美固有種が現れる。
これも本遠征の目的の一つ!!アオシャチホコの仲間(Syntypistis属)は南西諸島でも種類が多く、
- 奄美大島のアマミアオシャチホコ
- 西表島のイリオモテアオシャチホコ(Syntypistisではないが)
- 南西諸島と対馬のホリシャシャチホコ
- 八重山でよく見るが西日本に広く生息するナチアオシャチホコ・
台湾まで目を向けてみれば、
- 白い紋が美しい白斑胯舟蛾 Syntypistis comatus
- 各種Syntypistis属…
それぞれがミドリシジミのように緑色の光沢を蓄え、非常に美しい。他にも、今流行りのキリガなどもやってきた
後は適当に、めぼしい蛾を拾って灯火採集終了。翌朝の蝶採集に備えて、睡眠時間をたっぷりとることにしました。
つづく
春の奄美大島 2017 その2