春の奄美大島 2017 その1

虫採り動画上げてます!!

普段の虫採りそのまんまの様子をお届け中!


奄美大島

毎年春は沖縄へ遠征へ行っていて、まだまだやることは残っているのだけど、そろそろ奄美大島へ行かねばと思っていた。当時M2の僕は、残り2回となった春休み期間を、この奄美大島遠征に使うことに決めたのだった。


奄美大島へは当時バニラエアが就航していて、片道1万円以内で行くことができた。奄美空港について、レンタカーを借りる。

今回の遠征は一人旅。宿も取らずに車中泊する、格安学生旅だ。灯火採集する蛾屋にとっては、毎晩同じ寝床に戻らなくてはならないのはデメリットで、その意味でも車中泊はメリットが大きい。

島の中央を貫く国道58号線を南下し、道沿いのお店で鶏飯を食べる。「ちょっと豪華なお茶漬け」くらいのものかと思っていたが、これがまた予想以上に美味しかった。以降の奄美での食事は、どれも美味しいもの揃いだった。虫採りではなく、観光とか食事のためだけに、また訪れたい。

腹ごしらえを済ませて、最近集めているミクレピを探す。奄美はミズメイガの宝庫で、エンスイミズメイガやスジグロミズメイガなど、関東では見られないものが多く生息する。下調べで見つけた地名を頼りに、生息環境を想像しながら網を振る。

写真のような水際の下草をスウィーピングしていたが、ミズメイガの類は全く入らず。しかし、ミクレピは飛び出すのでせっせと採集する。採集したものを家で同定してみると…

チビアヤヒメノメイガ Diasemiopsis ramburialis

キアヤヒメノメイガ Diasemia accalis

珍品、チビアヤヒメノメイガ!!!!旧北区の温暖地域に広く生息するが、日本では極めてまれな蛾。訳分らん採集をすると、思わぬ珍品が採れるというのを痛感した。

草地での採集を切り上げ、南部の山を目指す。途中カシの木が開花していればヒゲナガガが狙えたが、どうやら時期が早く全くおらず。下調べで見つけた展望台に到着。暗くなるのに合わせて幕を張り、蛾が来るのを待った。

キノカワガやナンカイキイロエダシャク、カワムラトガリバなど。春の沖縄でも見られる蛾が飛来する。目当てのアマミキシタバは見る影もなく、ただ時間だけが過ぎていく。

そんな中、ようやく奄美固有種が現れる。

アマミアオシャチホコ Syntypistis amamiensis

これも本遠征の目的の一つ!!アオシャチホコの仲間(Syntypistis属)は南西諸島でも種類が多く、

  • 奄美大島のアマミアオシャチホコ
  • 西表島のイリオモテアオシャチホコ(Syntypistisではないが)
  • 南西諸島と対馬のホリシャシャチホコ
  • 八重山でよく見るが西日本に広く生息するナチアオシャチホコ・

台湾まで目を向けてみれば、

  • 白い紋が美しい白斑胯舟蛾 Syntypistis comatus
  • 各種Syntypistis属…

それぞれがミドリシジミのように緑色の光沢を蓄え、非常に美しい。他にも、今流行りのキリガなどもやってきた

クロテンキリガ Orthosia fausta

後は適当に、めぼしい蛾を拾って灯火採集終了。翌朝の蝶採集に備えて、睡眠時間をたっぷりとることにしました。

つづく

春の奄美大島 2017 その2